2026年6月26日

「健診で尿酸値が高いと言われたけれど、痛くもかゆくもないから大丈夫かな」
「お酒や食事に気をつければ、そのうち下がるのでは」
このように感じて、そのままにしている方は少なくありません。特に30〜60代の男性では、仕事の付き合いで飲酒の機会が多い、外食が多い、運動不足が続いているなど、尿酸値が上がりやすい生活背景が重なりやすい年代です。
尿酸値が高い状態は「高尿酸血症」と呼ばれます。痛風のイメージが強いかもしれませんが、実は腎臓や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病とも関係があります。症状がないうちに見直すことが大切です。
尿酸値が高いとはどのくらい?
一般的に、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と考えられます。尿酸は、体の中で「プリン体」という成分が分解されてできる老廃物の一つです。通常は尿として体の外に出ていきますが、作られる量が多すぎたり、排泄がうまくいかなかったりすると、血液中にたまっていきます。
尿酸値が高くても、すぐに症状が出るとは限りません。そのため「健診で毎年少し高いと言われるだけ」という状態が続くことがあります。しかし、尿酸値が高い状態が長く続くと、体の中で少しずつ影響が出ることがあります。
高尿酸血症で注意したい痛風と尿路結石
高尿酸血症でよく知られているのが痛風です。尿酸が結晶となって関節にたまると、足の親指の付け根などが急に赤く腫れ、強い痛みを起こすことがあります。
また、尿酸は尿路結石にも関係します。尿の通り道に石ができると、背中やわき腹の強い痛み、血尿、吐き気などを起こすことがあります。痛風発作や尿路結石を起こしてからでは、日常生活や仕事に大きな支障が出ることもあります。
「今は痛くないから大丈夫」と考えるのではなく、症状がない段階でリスクを確認しておくことが大切です。
尿酸値と腎臓の関係
尿酸は主に腎臓から尿へ排泄されます。そのため、腎臓の働きが低下すると尿酸が体にたまりやすくなります。一方で、尿酸値が高い状態が続くことも、腎臓に負担をかける可能性があります。
健診結果で尿酸値が高いと言われたときは、尿酸だけでなく、クレアチニン、eGFR、尿たんぱく、尿潜血などもあわせて確認することが大切です。腎臓は悪くなっても自覚症状が出にくい臓器です。むくみやだるさなどの症状が出る前に、検査値から早めに気づくことが重要です。
高尿酸血症は生活習慣病と一緒に見つかることも
高尿酸血症は、単独で起こることもありますが、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などと一緒に見つかることも多いです。
たとえば、内臓脂肪が増えると尿酸が作られやすくなったり、腎臓から尿酸を出しにくくなったりします。また、甘い飲み物、食べすぎ、飲酒量の増加、運動不足などは、尿酸値だけでなく血糖値や中性脂肪、血圧にも影響します。
つまり尿酸値は、「食生活や体重、血圧、血糖、脂質のバランスを見直すサイン」と考えることができます。
尿酸値を下げるために見直したい生活習慣
まず意識したいのは、食事と飲酒です。レバー、白子、干物、一部の魚介類などはプリン体を多く含むため、食べすぎには注意しましょう。ただし、特定の食品だけを極端に避けるよりも、全体の食事量を整え、野菜、豆類、海藻、きのこ類などを取り入れたバランスのよい食事を続けることが大切です。
お酒はビールだけでなく、焼酎や日本酒、ワインなども飲みすぎると尿酸値に影響します。鹿児島では焼酎を飲む機会が多い方もいらっしゃると思いますが、「種類」よりも「量」と「頻度」を見直すことがポイントです。
また、甘いジュースや清涼飲料水、砂糖の多い缶コーヒーなども注意が必要です。水やお茶を中心にし、こまめに水分をとることも心がけましょう。
運動は、いきなり激しい運動を始める必要はありません。まずは歩く時間を増やす、階段を使う、食後に10分歩くなど、続けやすい方法から始めてみましょう。
受診した方がよい尿酸値の目安
尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。特に、尿酸値が毎年高い方、8.0〜9.0mg/dL以上が続く方、痛風発作や尿路結石の経験がある方、腎機能低下を指摘された方、高血圧・糖尿病・脂質異常症がある方は、早めの確認が大切です。
治療は、すぐに薬が必要とは限りません。生活習慣の見直しで経過を見る場合もあれば、数値や合併症の有無によって薬を検討する場合もあります。大切なのは、尿酸値だけを見て判断するのではなく、腎臓、血圧、血糖、脂質、体重などを含めて総合的に確認することです。
まとめ|尿酸値は体からの早めのサインです
健診で尿酸値が高いと言われても、症状がないとつい後回しにしがちです。しかし、高尿酸血症は痛風だけでなく、腎臓や生活習慣病とも関係があります。
大切なポイントは、次の3つです。
尿酸値が高い状態は、症状がなくても続くことがある
痛風、尿路結石、腎臓への負担に注意が必要
血圧、血糖、脂質、体重も含めて確認することが大切
健診結果は、今の体の状態を知る大切な手がかりです。「少し高いだけ」と思わず、一度ご自身の生活習慣や検査結果を見直してみましょう。
ここまち内科では、健診で尿酸値が高いと言われた方のご相談を行っています。尿酸値だけでなく、腎機能、血圧、血糖、脂質なども含めて確認し、生活習慣の見直しや必要に応じた治療について一緒に考えていきます。
健診結果で気になる項目がある方は、お気軽にご相談ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。