「健康診断で血圧が高いと言われた」
「薬を飲んでいるけど、なかなか血圧が下がらない」
高血圧症はほとんど自覚症状がありませんが、放置すると脳卒中や心筋梗塞などの原因となる「サイレントキラー」と呼ばれています。
最新のガイドラインでは、将来の病気を防ぐために、これまでよりも積極的な血圧管理が重視されています。気になることがあれば、どうぞ一度ご相談ください。
高血圧症
高血圧症

「健康診断で血圧が高いと言われた」
「薬を飲んでいるけど、なかなか血圧が下がらない」
高血圧症はほとんど自覚症状がありませんが、放置すると脳卒中や心筋梗塞などの原因となる「サイレントキラー」と呼ばれています。
最新のガイドラインでは、将来の病気を防ぐために、これまでよりも積極的な血圧管理が重視されています。気になることがあれば、どうぞ一度ご相談ください。
高血圧症とは、血圧が慢性的に高い状態が続いていることを指します。
心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力が「血圧」ですが、この圧力が高い状態が続くと、血管には大きな負担がかかり、次第に厚く・硬くなっていきます(動脈硬化)。
一般的には、成人で以下のいずれかを満たす場合に高血圧と診断されます。
140/90mmHg以上
135/85mmHg以上
130/80mmHg以上
血圧が120/80mmHgを超えて高くなるほど、脳卒中、冠動脈疾患、慢性腎臓病、心不全、心房細動、認知症などの病気になるリスクが高くなることがわかっています。
日本では約4,300万人が高血圧と推定されていますが、適切にコントロールされているのは約27%にとどまるとされています。
「自分は大丈夫」と思いこまず、早めに血圧をチェックし、必要に応じて対策を始めていくことが大切です。
高血圧は原因によって大きく2つに分けられます。
日本人の高血圧の約90%がこれにあたります。単一の原因ではなく、体質に生活習慣の乱れが重なって発症すると考えられています。
主な危険因子:塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、加齢、アルコールの過剰摂取など
腎臓やホルモンの病気、薬剤などが原因で血圧が高くなっているタイプです。原因を特定し治療することで、血圧が大きく改善したり、降圧薬を減らせる場合もあります。
「若い年齢での発症」「急激な悪化」「薬が効きにくい(治療抵抗性)」といった特徴がある場合は、二次性高血圧の可能性があります。
腎実質性高血圧、腎血管性高血圧など
原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能異常など
睡眠時無呼吸症候群、薬剤性(NSAIDs、漢方の甘草、ステロイドなど)
高血圧自体には、ほとんど自覚症状がありません。そのため、気づかないうちに病気が進行し、ある日突然、合併症が起きてから初めて見つかることも少なくありません。
※これらの症状があるからといって、必ずしも高血圧が原因とは限りません。
高血圧の重症度や、原因疾患、合併症の有無を調べるために、必要に応じて次のような検査を行います。
腎機能(クレアチニン)、電解質(ナトリウム・カリウム)、血糖、各種ホルモン検査などで二次性高血圧の除外やリスク評価を行います。
尿蛋白や潜血の有無により、高血圧による腎障害の程度を確認します。
心肥大(心臓の壁が厚くなっているか)や不整脈の有無を確認します。
心エコーで、心臓の動きやポンプ機能、心筋肥大や弁膜症の有無を評価します。必要に応じて、腎臓への血流異常がないかを確認します。
手足の血圧を同時に測ることで、血管の硬さ(動脈硬化の進行度)や下肢血管が狭くなっていないか(末梢動脈疾患)を評価します。いわゆる「血管年齢」の目安にもなります。
当クリニックでのスクリーニングにより、さらに詳しい検査が必要と判断した場合(例:副腎疾患の疑いや脳血管の評価など)は、速やかに連携する高度医療機関へご紹介し、CT・MRI・シンチグラフィーなどの画像検査を実施します。
治療の目的は、単に数値を下げることではなく、脳卒中や心筋梗塞などの発症・死亡を防ぎ、健康寿命を延ばすことです。
2025年の新しいガイドラインでは、より積極的かつ早期からのコントロールが推奨されています。
最新のガイドラインでは、年齢にかかわらず、原則として以下の目標を目指します。
130/80mmHg未満
125/75mmHg未満
※ただし、75歳以上の高齢者やフレイルの方、重度の腎機能障害がある方などは、副作用(立ちくらみ等)に注意しながら、個別に安全な目標を設定します。
※家庭血圧を指標とした治療を優先します。
薬物治療と並行して、生活習慣の修正は必須です。生活を整えるだけで血圧が下がる方も少なくありません。
目標は1日6g未満。家族全体での取り組みが大切です。
野菜・果物は血圧を下げる助けになります。ただし、腎臓病の方は制限が必要な場合があります。
野菜・魚・低脂肪乳製品を増やし、塩分と動物性脂肪を控える「DASH食」などが推奨されています。
適正体重(BMI25未満)を目指します。
ウォーキングなどの有酸素運動に加え、筋トレなどのレジスタンス運動も推奨されます。ただし、心疾患や腎疾患がある方は、オーバートレーニングに注意が必要です。
アルコール制限と禁煙は、治療の基本です。
アプリ等を活用した血圧管理は、記録の継続や生活習慣の見直しに役立つことが報告されています。
生活習慣の改善でも目標に達しない場合、速やかに薬物治療を開始します。主要降圧薬(G1薬)として、Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬が位置付けられています。
単剤投与
主要降圧薬(G1薬)の中から1剤を選択して開始します。
2剤併用
①で目標に達しない場合、速やかに2剤を併用します。また、III度高血圧(180/110以上)や高リスクの患者様では、最初からSTEP2で開始することが推奨されています。
単剤を増量するよりも、異なる作用の薬を組み合わせるほうが、早期に目標を達成でき、副作用も少ないためです。配合剤(1粒に2剤入った薬)も積極的に活用します。
※高リスクとは、すでに脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化性疾患がある方、糖尿病や慢性腎臓病・心不全などを合併している方など、将来の心臓病や脳卒中のリスクが高いと考えられる方を指します。
3剤併用
それでも目標未達の場合(治療抵抗性高血圧)、作用機序の異なる3剤目の追加を行います。原則としてサイアザイド系利尿薬を含めることが推奨されます。
健康診断の結果や、ご自宅での測定で以下の数値が続いている場合は、一度ご相談ください。
140/90mmHg以上
135/85mmHg以上
血圧が急激に上がり、以下の症状を伴う場合は、脳卒中や心筋梗塞などの緊急事態の可能性があります。
このような症状がでたときは、様子を見ずに、できるだけ早く救急受診(必要に応じて119番)を検討してください。
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