2026年4月26日

健診の結果を見て、
「心電図異常」
「要精密検査」
「不整脈の疑い」
などと書かれていると、少し不安になりますよね。
特に、胸の痛みや動悸などの症状がない方ほど、
「本当に病院に行った方がいいのかな」
「様子を見ても大丈夫なのかな」
と迷われることも多いと思います。
心電図異常の中には、すぐに大きな問題につながるものばかりではなく、経過観察でよい場合もあります。一方で、不整脈や狭心症、心筋梗塞のあと、心臓への負担などが隠れていることもあります。
健診で指摘された段階で一度確認しておくことで、安心につながることもあります。
心電図とはどのような検査?
心電図は、心臓の電気の流れを記録する検査です。
心臓は、一定のリズムで電気信号が流れることで動いています。心電図では、その電気の流れを波形として記録し、脈の乱れや心臓への負担、心筋への血流不足の可能性などを確認します。
健診で行う心電図は、短時間で心臓の状態を確認できる大切な検査です。ただし、検査したその瞬間の記録であるため、異常があっても一時的なものなのか、詳しい検査が必要なものなのかは、症状や既往歴、他の検査結果とあわせて判断する必要があります。
健診でよく見られる心電図異常
健診結果には、専門的な言葉で心電図所見が書かれていることがあります。代表的なものには、次のような所見があります。
期外収縮
期外収縮は、本来のリズムより少し早いタイミングで心臓が拍動する不整脈です。「脈が飛ぶ」「胸がドキッとする」と感じる方もいれば、まったく自覚症状がない方もいます。健診で偶然見つかることも少なくありません。多くは大きな問題がないこともありますが、回数が多い場合、症状が強い場合、心臓の病気が背景にある場合には、詳しい確認が必要です。
左室肥大・左室高電位
左室肥大や左室高電位は、心臓に負担がかかっている可能性を示す所見です。特に高血圧が長く続いている方では、心臓が血液を送り出すために強い力を必要とし、心臓の筋肉が厚くなることがあります。心電図だけで正確に判断することは難しいため、必要に応じて心エコーで心臓の大きさや動き、壁の厚さなどを確認します。
右脚ブロック・左脚ブロック
脚ブロックは、心臓の中を流れる電気信号の通り道に遅れがある状態です。右脚ブロックは、健診で比較的よく見つかり、問題がないこともあります。一方で、左脚ブロックや新しく出てきた脚ブロックでは、心臓の病気が隠れていないか確認が必要になることがあります。以前の心電図と比べて変化があるかどうかも大切です。
徐脈・頻脈
徐脈は脈が遅い状態、頻脈は脈が速い状態です。運動習慣がある方では脈がゆっくりでも問題ないことがありますが、ふらつき、めまい、失神、強いだるさがある場合は注意が必要です。頻脈についても、緊張や体調不良で一時的に速くなることがありますが、動悸が続く場合や突然始まって突然止まる場合には、不整脈の確認が必要です。
心房細動疑い
心房細動は、不整脈の一つです。脈が不規則になり、動悸や息切れを感じることもありますが、自覚症状がないまま健診で見つかることもあります。心房細動で大切なのは、脈の乱れだけではありません。血液の流れがよどみやすくなり、脳梗塞の原因になることがあるため、必要に応じて脳梗塞予防を含めた評価が必要です。日本循環器学会・日本不整脈心電学会のガイドラインでも、心房細動は心電図記録による診断を基本とし、脳梗塞リスクや症状、心血管リスクを含めて評価する流れが示されています。
心電図異常は、放置してよいものと確認が必要なものがあります
健診で心電図異常と書かれていても、すべてが重大な病気というわけではありません。
一時的な変化や、体質的な波形、過去から変わらない所見であれば、大きな心配がいらないこともあります。不整脈についても、治療を必要とするものと、経過をみるだけでよいものがあります。日本循環器学会の不整脈薬物治療ガイドラインでも、不整脈には治療を必要とする場合と必要としない場合があるとされています。
一方で、次のような場合には、早めの受診をおすすめします。
胸の痛みや息切れがある
階段や坂道で胸が苦しくなる、胸が締めつけられる、息切れが以前より強くなった、という場合は注意が必要です。狭心症や心不全などが隠れていることがあります。
動悸や脈の乱れを感じる
脈が飛ぶ、急にドキドキする、脈がバラバラに感じるなどの症状がある場合、不整脈の確認が必要です。症状が出たり消えたりする場合は、通常の心電図では異常が記録されないこともあるため、ホルター心電図などで長時間確認することがあります。
めまい・ふらつき・失神がある
一時的に意識が遠のく、倒れたことがある、強いふらつきがある場合は、脈が遅すぎる、または速すぎる不整脈が関係していることがあります。このような症状がある方は、早めに医療機関へご相談ください。
高血圧・糖尿病・脂質異常症がある
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、睡眠時無呼吸症候群などは、心臓や血管の病気と関係します。健診で心電図異常を指摘された方で、これらの生活習慣病がある場合は、心電図だけでなく、心臓や血管全体のリスクを確認することが大切です。
受診するときに持ってきていただきたいもの
受診の際は、健診結果をそのままお持ちください。
心電図の波形が印刷されている場合は、結果表だけでなく、心電図の用紙もあると診察がスムーズです。過去の健診結果があれば、以前から同じ所見なのか、今回初めて出てきた所見なのかを確認しやすくなります。
また、次のような情報も診察の参考になります。
症状の有無
胸の痛み、動悸、息切れ、めまい、失神、むくみ、疲れやすさなどがあるかを確認します。症状がある場合は、いつから、どのような時に起こるか、どのくらい続くかをメモしておくと役立ちます。
内服薬や治療中の病気
高血圧、糖尿病、脂質異常症、腎臓病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群などの有無も重要です。お薬手帳があれば、ぜひお持ちください。
ご家族の病歴
ご家族に心筋梗塞、不整脈、突然死、心不全などの病歴がある場合は、診察時にお伝えください。
当院で行う主な確認
ここまち内科では、健診で心電図異常を指摘された方に対して、症状や健診結果を確認したうえで、必要な検査を検討します。
心電図の再検査
まずは、現在の心電図を再度確認します。健診時の心電図と比べて変化があるか、異常が持続しているかを確認します。
ホルター心電図
動悸や脈の乱れがある方、発作的な不整脈が疑われる方では、長時間の心電図記録を行うことがあります。短時間の心電図では見つからない不整脈を確認するために役立ちます。
心エコー
左室肥大、心雑音、息切れ、心不全が疑われる場合などでは、心エコーで心臓の動きや大きさ、弁の状態を確認します。心電図だけではわからない心臓の構造や機能をみることができます。
血液検査・レントゲンなど
必要に応じて、貧血、甲状腺機能、腎機能、電解質、糖尿病、脂質異常症などを確認します。息切れや心不全が疑われる場合には、胸部レントゲンや血液検査を組み合わせて確認することもあります。
すぐに救急受診を考えた方がよい症状
健診の再検査とは別に、次のような症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急受診を検討してください。
強い胸の痛みが続く
胸が締めつけられる、冷や汗が出る、左肩や背中、あごに痛みが広がるような場合は、急性心筋梗塞などの可能性があります。
強い息苦しさがある
横になると苦しい、急に息が苦しくなった、唇が紫色になる、会話がつらいような場合は、早急な対応が必要です。
失神した、または意識が遠のいた
不整脈や血圧低下などが関係している可能性があります。繰り返す場合や、けがを伴う場合は早めの受診が必要です。
鹿児島市で健診の心電図異常を指摘された方へ
健診で心電図異常を指摘されても、必ずしも大きな病気があるとは限りません。
ただし、心電図は心臓からの大切なサインです。症状がないからといって、そのまま放置してよいかどうかは、結果だけでは判断が難しいこともあります。
ここまち内科は、鹿児島市にある内科・循環器内科・糖尿病内科のクリニックです。西原商会アリーナ近くにあり、心電図異常、不整脈、胸痛、動悸、息切れ、生活習慣病などのご相談に対応しています。診療科として内科・循環器内科・糖尿病内科が案内されており、Web予約にも対応しています。
「健診で心電図異常と言われた」
「要精密検査と書かれていた」
「症状はないけれど、心臓のことなので少し心配」
そのような方は、健診結果をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
健診結果をきっかけに、ご自身の心臓の状態を確認し、これからの健康管理に役立てていただければと思います。